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人事および経営者が知っておくべき労働法の基礎

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目次>>労働契約>>労働契約について>>解雇・退職>>賃金>>通勤手当>>労働時間>>休日>>36協定>>休憩時間>>深夜労働>>休暇>>母子保護>>年少者保護>>育児介護>>安全衛生>>社内書類整備


 

 労働法の基本 ■□■

<国際労働機関(ILO)及び条約>

国際労働機関(ILO)は国連の専門機関のひとつで、労働問題を取り扱う。
1919年設立、本部:スイス・ジュネーブ。2014年3月現在、185カ国が加盟
184条約、202勧告が国際労働基準として設定。
日本の批准条約数は49条約のみ。)

ILOの目的

ILOの目的は、社会正義を基礎とする世界の恒久平和を確立すること。そのために、

(1)国際労働基準の設定とその実施状況の監視
(2)技術協力・援助
(3)調査・広報           という3つの手段が定められている。

三者構成主義

政府に加え、労働者と使用者の代表が正式の構成員として参加。
日本は、日本政府、連合、日本経団連の三者

<日本の労働法及び関連規則等>

日本の労働法

憲法28条の労働基本権の理念に基づく労働三法労働基準法、労働組合法、労働関係調整法)によって、対等な労使関係を基本としている。

労働基準法の大原則

憲法第25条に、『すべて、国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。』の生存権を保障しているが、これを労働条件の分野で具体化した規程である。
労働基準法第1条第1項『労働条件は、労働者が人たるに値する生活を営む為の必要を充たすべきものでなければならない。』とあるのは、働く人が人間としてその人格を尊重されるような生活が営めるだけの労働条件を保障することを宣言したものである。

◆ 法律・命令・判例・行政解釈の関係

労働基準法は本則わずか120条程度の法律の為、専門的・技術的な詳細は、下位の規範である命令(規則)に委任し、又規程が抽象的である為、解決できない問題が発生した場合に、裁判所による判例が重要視される。さらに、実際に労働監督行政機関により示された行政解釈(法解釈の指針)の通達も実務上重要な影響力をもつ。

 

労働契約について

労働供給契約

民法上の「雇用」(民法623条)「請負」(民法632条)「委任」(民法643条)の形態をいう。そのうち、労働基準法が適用される契約を「労働契約」といい、「雇用」の主となる契約である。

労働契約についての留意点
  • 均等待遇の原則
    (国籍、信条、社会的身分を理由とする労働条件の差別をしてはいけない)
  • 男女同一賃金の原則
    (女性を理由として、賃金について男性と差別的取扱いをしてはならない)
  • 男女雇用機会均等の原則
  • 強制労働の禁止
    (暴行、脅迫、監禁他精神・身体の不当拘束により、労働を強制してはならない)
  • 中間搾取の排除
    (法定外で、業として他人の就業に介して利益を得てはならない)
  • 公民権行使の保障
    (労働時間中の公民権行使について保障する)

 

労働契約について

◆ 有期労働契約の上限(労基法第14条)

原則として、契約期間の上限は3年
(一定の事業の完了に必要な期間を定めるものは除く)

※ 厚生労働大臣の定める専門的知識等を要する業務につく場合、及び満60歳以上の者を雇用する場合は、契約期間の上限を5年とする。

◆ 有期労働契約の締結

契約の締結時に、更新の有無、及び更新する場合の判断基準を明示しなければならない。
又、前記した契約の内容に変更等が生じた場合も、速やかに労働者に明示しなければならない。

◆ 労働条件の明示(労基法第15条)

使用者が労働者を雇用する時は、賃金・労働時間その他厚生労働省令で定める事項については、厚生労働省令で定める方法(書面等)で明示しなければならない。
明示された労働条件が事実と相違している場合、労働者は即時に労働契約を解除することができる。

◆ その他労働契約について

賠償予定の禁止
(労働契約の不履行について違約金を定めたり、損害賠償額の予定する契約をしてはならない。)
前借金相殺の禁止
(前借金その他労働することを条件とする前貸の債権と賃金を相殺してはならない。)

◆ 内定の取扱い

内定通知(書面・電話等)の時点で、労働契約は成立すると判断される。内定取り消しは、やむを得ない事由として認められない限り、解雇と同様扱いになる。

◆ 労使双方の義務

労働者の義務]・・・誠実労働義務、秘密保持義務、競業避止義務
使用者の義務]・・・賃金支払義務、安全配慮義務

◆ 身元保証

採用に際し、その労働者に対して身元保証契約をする場合がある。この場合、「身元保証に関する法律」により、保障契約期間は最長5年、期間を定めてない時は3年とする。
労働者の勤務地の変更、責任範囲の変化、又保証人の責務が発生する可能性がある場合は、保証人に通知しなければならない。

 

 

解雇・退職について

意味
辞 職 労働者が自ら、労働契約の解約をする場合(自己都合退職)
合意解約 労使双方が合意して、労働契約を解約する場合
期間満了 雇用保険加入者で、1年以内契約期間の終了の場合
雇止め 有期労働契約が3回以上更新、又は1年以上更新時の契約終了の場合
退職勧奨 使用者側から労働者に対して、労働契約の合意解約を申込んでいる状態
解 雇 使用者側の一方的な労働契約を終了させる場合
-普通解雇 一般的な解雇(能力・適正等を理由とする等)
-整理解雇 経営上の理由による解雇
-懲戒解雇 労働者の非違行為に対する懲戒処分としての解雇
-諭旨解雇 懲戒解雇にしない代わりに、自主退職を求めるもの(退職勧奨の一種)
解約について

◆ 期間の定めのない雇用(民法627条)

各当事者は、いつでも解約の申し入れをすることができる。解約は申し入れの日から2週間を経過して終了することができる。
(但し社会通念上の退職マナーとして、1ヶ月前の申し入れが主流)

※ 期間によって報酬が定めた場合は、次期以降について可能である。但し、申し入れは当期の前半に行う。
※ 6ヶ月以上の期間によって報酬を定めた場合は、解約の申し入れは3ヶ月前とする。

◆ 期間の定めのある雇用(民法626条)

雇用の期間が5年(商工業の見習いは10年)を超えた場合、いつでも契約の解除ができる。但し、3ヶ月前に予告しなければならない。

解雇のルール

◆ 解雇の予告(労基法第20~21条)

使用者が労働者を解雇しようとする場合は、少なくとも30日前にその予告をしなければならない。

※ 但し、天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合、又は労働者の責に帰すべき事由により(労働基準監督署長解の認定要)解雇する場合においては、この限りでない。

◆ 解雇予告手当

使用者が労働者を解雇しようとする場合に、30日前の予告をしなかった時は、解雇予告手当を必要日数分支払うことによって解決する。

◆ 解雇予告に該当しない場合

  • 日々雇い入れられる者(1ヶ月を超えて引き続き使用する場合は除く)
  • 2ヶ月以内の期間を定めて使用される者(引き続き使用される場合は除く)
  • 季節的業務に4ヶ月以内の期間を定めて使用される者(引き続き使用される場合は除く)
  • 試の使用期間(14日間)の者

◆ 解雇制限

(a) 労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかった為、療養の為に休業する期間及びその後30日間は解雇できない。
(b) 産前産後の女性が出産の為休業する期間及びその後30日間は解雇できない。
(c) 国籍・信条・社会的身分、労働組合員であること・加入していること、妊娠・出産・産前産後休業の取得及び育児・介護休業の取得等を理由とした解雇はできない。

※ 「打切補償」を支払う場合は、この限りではない。

◆ 解雇事由の明記

解雇の事由については、就業規則に記載する必要がある。

又、労働者の労働契約の際にも、労働条件通知書等の「退職に関する事項」に解雇の事由を明示する必要がある。

退職・解雇時の証明書

[退職証明書]
・・・労働者が退職した時に、「退職証明書」を請求された場合は、使用者は遅延なく交付しなければならない。但し、この証明書には、労働者が請求しない事項を記入してはいけない。
[解雇理由証明書]
・・・労働者を解雇した時に、「解雇理由証明書」を請求された場合は、使用者は遅延なく交付しなければならない。
[雇止め理由証明書]
・・・雇止めの予告後あるいは雇止め後、労働者がその理由について証明書を請求された場合は、遅延なく交付しなければならない。

 

 

賃金について

賃金とは、労働の対償として使用者が労働者に支払うすべてのものをいう。

賃金支払いの五原則(労基法24条)※臨時金、賞与等は当てはまらない
  1. 通貨払いの原則・・・現金で支払うべき(労使協定又は労働者の同意が得られれば振込可能)
  2. 直接払いの原則・・・(未成年であっても)本人に支払うべき(※代理人は×、使者は○)
  3. 全額払いの原則・・・その期間に稼働した分を全額支払うべき(法令控除金、協約相殺金天引額)
  4. 毎月払いの原則・・・毎月1日~末日までの間に、1回以上支払うべき
  5. 一定期日払いの原則・・・毎月の支払う期日を決めなければならない(※“月末払い”はOK、“毎月第3月曜支払い”は違法)
最低賃金の厳守(最低賃金法に該当)

・賃金支払い形態には、時給・日給・月給・年棒制・(出来高制)があるが、最低賃金額の表示単位は時間または日給とする。(日給・月給等の場合、所定労働時間で除算した時間当たりの賃金で判断する。)
・最低賃金については、憲法25条に謳われている『健康で文化的な最低限度の生活』を営めるような水準を前提に決められるため、事業・業種及び地域に応じて定められる。
・「地域別最低賃金」と「産業別最低賃金」があり、又法改正により相違する為、その都度確認、承知する必要がある。
・最低賃金以上の支払いがない場合は、罰金刑(50万円以下の罰金)となる。

◆ 最低賃金から除外されるもの

  • 賞与など1ヶ月以上を超える期間ごとに支払われる賃金
  • 結婚手当などの臨時の賃金
  • 時間外、休日、深夜の割増賃金
  • 精皆勤手当、通勤手当、家族手当など

◆ 最低賃金の減額特例規定となる場合(各都道府県労働局長の許可要)※最低賃金法

  • 精神又は身体の障害により著しく労働能力の低い者
  • 試用期間中の者
  • 職業能力開発促進法に基づく認定職業訓練を受ける者のうち一定の者
  • 軽易な業務に従事する者又は断続的労働に従事する者で、厚生労働省令で定める者
賃金の控除・相殺について

基本的に、法令で定められている税金(所得税等)や保険料(社会保険料、雇用保険料等)は控除可能。
※ 住民税控除については、雇用主側で設定できる。
それ以外のものについては、労使協定等で同意を得られているもの(食事代・駐車場代・制服代等)、週払い金・前払い金(稼働分が前提)等、立替金等。
ペナルティーとしての相殺は本来問題がある(次項)

◆ 労基法第91条で定められている制裁規定(減額)は、就業規則上で記載要。

労働者に対する減給の制裁については、1回の額が平均賃金の1日分の半額を超えない程度、又1賃金支払期間に数回の違反行為があったとしても、その減額総額は、1賃金支払期に支払われる賃金の10分の1を超えない額とする。

賃金の端数切り上げ

賃金は、就業条件明示書により本人に提示した額を下回ってはいけない。

(例)時給925円 × 労働7時間15分 = 6,706.25円 ≒ 6,707円 になる

時間外労働・深夜労働の賃金

◆ 時間外労働は、賃金の25%以上の割増

※ 1ヶ月間で60時間超の時間外労働分は、50%以上割増(中小企業適用当分猶予)
または、60時間超の割増(25%以上)分を有給休暇に宛てがうことが可能(第37条第3項)

・・・中小企業の定義(厚生労働省による)

業種(大分類) 資本金・出資総額 常時使用労働者数
小売業 5,000万円以下 50人以下
サービス業 5,000万円以下 100人以下
卸売業 1億円以下 100人以下
上記以外 3億円以下 300人以下

◆ 深夜労働は、賃金の25%以上の割増

◆ 法定休日出勤は、賃金の35%以上の割増

注意!)ここでいう「賃金」は、基本給ではない!

(例)時給1,000円、交通費月額1万円、皆勤月額1万円、月所定稼働160時間の場合
時間外労働に対する割増額
1,000円/時 × 125% = 1,250円/時  ではなく、
( 1,000円/時+皆勤1万円÷160時間)×125% ≠ 1,329円/時(端数切上げ)

※ 割増賃金の対象外手当は、交通費・家族手当・住居手当に該当するもの、複数ヶ月以上で支払われる手当

手当の規定

手当(通勤手当含む)については、法律上支給しなければならないものではなく、事業所で決めることが出来る。ただし、就業規則等で記載することが望ましい。

 

◆ 通勤手当(交通費)の課税区分

通勤手当に該当するものは、課税範囲、非課税規定が決まっている。

(1)公共機関・・・・全額非課税(但し、月額10万円)までとする
(2)車両通勤・・・・非課税となる1ヶ月当たりの限度額(国税庁資料)

片道の通勤距離 1ヶ月当たりの限度額(H26.4現在)
2km未満 (全額課税)
2km以上~10km未満 4,200円
10km以上~15km未満 7,100円
15km以上~25km未満 12,900円
25km以上~35km未満 18,700円
35km以上~45km未満 24,400円
45km以上~55km未満 28,000円
55km以上 31,600円

 

平均賃金について

解雇予告手当や年次有給休暇を取得した場合の手当、休業補償、災害補償等として、支払われる賃金の計算方法の一つ。

◆ 「平均賃金」の計算方法

平均賃金式

非常時払い

労働者が、非常の場合の費用に充てる為に、給与支払期日前の支払いを請求した場合、既往の労働に対する賃金を支払う必要がある。
「非常の場合」とは、
(a) 出産、疾病、災害の場合
(b) 労働者又はその収入によって生計を維持する者が結婚し、又は死亡した場合
(c) 労働者又はその収入によって生計を維持する者が、やむを得ない事由により一週間以上帰郷する場合

 

 

労働時間法について

◆ 労働時間法の大原則

  • 1日8時間、週40時間労働制
  • 休日は、原則として週1日(週休制の原則)
  • 労働時間は、実労働時間で算出する

※ “法定○○”と“所定○○”の相違を把握しておく

法定労働時間(労基法第32条)

労働時間については、労基法第32条第1項に『休憩時間を除き1週間について40時間を超えて、労働させてはならない。』、第32条第2項に『休憩時間を除き1日について8時間を超えて、労働させてはならない。』と決められている。

◆ 特例措置対象事業場の業種について

商業、映画・演劇業、保健衛生業及び接客娯楽業などのうち、常時10名未満の労働者を使用する事業場(個々の事業場の規模)については、週44時間の特例が設けられている。(※1日8時間制は変わらず)

注意!)この場合、1ヶ月単位の変形労働制およびフレックスタイム制は導入可能だが、1年単位の変形労働制は週40時間制になる。

◆ 労働時間法の例外

(a) 時間外・休日労働
(b) 変形労働時間制(1ヶ月単位/1年単位/1週間単位/フレックスタイム制)
(c) みなし労働時間制(事業場外/専門職/企画職)
(d) 適用除外
(e) 特例

法定休日(労基法第35条)

法定休日については、『毎週少なくとも1回の休日を与えなければならない。』とあり、変形休日制(就業規則等で明記要)の事業所については、『4週間を通じ4日以上の休日を与える』とされている。

 

◆ 『休日』について

 

休日の概念

 

※ 『所定休日』は、時間外労働(週40時間)を超えないように、会社で決められた休日のこと

実労働時間の定義

労働基準法に直接的な規定はないが、法律解釈の問題となる。
最高裁判所の判例として、「労働者が使用者の指揮命令下におかれている時間をいい、労働時間に該当するか否かは、労働者の行為が使用者の指揮命令下におかれたものと評価することができるか否かにより客観的に定まるものであって、労働契約、就業規則、労働協約等の定めの如何により決定されるべきものではない。」とある。

※ 「朝礼」「夕礼」「仮眠」「ミーティング」「清掃」「着替え」「点呼」「体操」等々全て所定時間外での活動において、使用者の指揮命令下(義務付け)がある場合は、実労働時間と判断されている。
※ 「教育」「研修」等に関する時間については、自由参加であれば実労働時間にはあたらない。

振替休日と代休の相違
振替休日 代休
意味 あらかじめ定めてある休日を、事前に手続して他の労働日と交換すること●休日労働にはならない 休日に労働させ、事後に代りの休日を与えることだが、休日労働の事実は変わらず●割増賃金の対象となる
要件 [1]就業規則等に振替休日の規定をする[2]振替日を事前に特定[3]振替日は4週の範囲内[4]遅くとも前日の勤務時間終了までに通知 特になし※但し、制度として行う場合、就業規則等に具体的に記載が必要(代休を付与する条件、賃金の取り扱い等)
賃金 同一週内で振り替えた場合、通常の賃金の支払いでよい。別週で振り替えた結果、週法定労働時間を超えた場合は、時間外労働に対する割増賃金の支払いが必要 休日労働の事実は変わらないので、休日労働に対する割増賃金の支払いが必要代休日について、有給か無給かは、就業規則等の規定による

注意)法定休日以外の休日(土・日休みの場合の土曜日、日・祝休みの場合の祝日)等については、休日労働に該当しないが、当日の労働時間が8時間以内でも週法定労働時間を超えた場合は「時間外労働」となることに注意。

 

 

36協定について

法定の労働時間を超えて労働させるものについては、全て時間外労働として見なされる。
又、労働者の過半数を代表する者の署名等で同意を得ている協定書(36協定)を、労働基準監督署に提出が必要(労基法36条)で、ない場合は時間外の労働をさせてはならない、とされている。

協定で締結することの出来る時間外労働数の上限
通常の限度時間 1年単位の変形労働時間制の限度時間 育児・介護法に基づく時間外労働の限度時間
1週間 15時間 14時間
2週間 27時間 25時間
4週間 43時間 40時間
1箇月 45時間 42時間 24時間
2箇月 81時間 75時間
3箇月 120時間 110時間
1年間 360時間 320時間 150時間

※1日の時間外労働数の上限はない。但し、危険有害業務で、法令で定める業務に従事する者の時間外労働の上限は、1日2時間とされている。

◆ 特定付条項での協定締結の場合は、年6ヶ月間でその上限を超える時数で締結することが出来る。

◆ 特例除外対象業務

  • 工作物の建設等の事業
  • 自動車の運転の業務
  • 新技術・新商品等の研究開発の業務
  • ◎その他厚生労働省労働基準局長の指定する事業又は業務(郵政事業の年末年始業務等)
    (注意)◎については、1年間の限度制限は対象とする

 

休憩について

休憩は、労働者の肉体的・精神的な疲労を回復させる目的だけでなく、労働者の集中力を維持して労働災害の防止する点、又社会的・文化的な活動を行うことができるという点でも重要な意義があるとされている。

労基法第34条で定められている休憩時間数
実労働時間 法定休憩時間
6時間以内
6時間超8時間以内 45分以上
8時間超 60分以上

※    法定内休憩については、無給休憩とすることが殆どだが、法定外休憩時間は、所定休憩(事業所が決めている休憩)については、有給・無給どちらでもよいとされる。

◆ 休憩の与え方3原則

  • 一斉に与えること
  • 労働時間の途中に与えること
  • 自由に利用させること

※    「一斉休憩の原則」に該当しない場合がある。

法で適用除外されている業種(運輸交通業、商業、接客娯楽業、金融業等)、又それ以外の業種で労使協定が締結されている場合は「一斉休憩の原則」が適用除外となる。

 

 

深夜労働

午後10時~翌午前5時(厚生労働大臣が認可した場合は、午後11時から翌午前6時)までの時間帯に労働させた場合のことをいう。

※    深夜時間での労働は、割増賃金を支払う義務がある
※    18歳未満の年少者は、深夜労働させることはできない。

 

 

休暇について

有給休暇と無給休暇の2種類(就業規則で記載)

有給休暇

◆ 年次有給休暇(労基法39条)

  • 入社後6ヶ月継続勤務し、全労働日の8割以上出勤した場合に付与
  • 年休権(有効期限)は、2年間である
  • 使用者側に時季変更権がある(労働者の退職時にはなし)
  • 年休の買い取りは禁止(年休付与の意義に反する)
  • 計画年休の取得は、年休5日を超える日数について適用可能

◆ 法定で定められている基本付与日数

(1)常勤労働者及びパートタイマー(所定労働日数が週5日以上、年間217日以上の者、週所定労働時間が30時間以上の者)

継続勤務年数 6ヶ月 1年6ヶ月 2年6ヶ月 3年6ヶ月 4年6ヶ月 5年6ヶ月 6年6ヶ月
付与日数 10 11 12 14 16 18 20

 

(2)(1)以外の労働者

週所定労働日数 1年間の所定労働日数 6ヶ月 1年6ヶ月 2年6ヶ月 3年6ヶ月 4年6ヶ月 5年6ヶ月 6年6ヶ月以上
4日 169日~216日 7日 8日 9日 10日 12日 13日 15日
3日 121日~168日 5日 6日 6日 8日 9日 10日 11日
2日  73日~120日 3日 4日 4日 5日 6日 6日 7日
1日  48日~ 72日 1日 2日 2日 2日 3日 3日 3日

 

◆ その他有給休暇は、会社が決定できるもの

慶弔休暇・生理休暇・育児休暇・介護休暇・リフレッシュ休暇等を有給にしている会社もある

 

 

母子保護に関する事項

産前産後の保護

使用者は、産前6週間(多胎妊婦14週間)以内に出産する予定の女性が休業を請求した場合、及び産後8週間を経過しない女性(6週間を超えた女性が請求し、医師の許可がある場合を除く)を就業させることができない。
又、妊娠中の女性が請求した場合、他の軽易な業務へ転換する必要がある。

妊産婦の就業

妊産婦が請求した場合、変形労働時間制等を採用している場合も、1日8時間、週40時間を超えて労働させてはならない。
又、妊産婦の請求があれば、時間外、休日労働、深夜労働もさせてはならない。

育児時間(労基法67条)

生後1年に満たない生児を育てる女性は、休憩時間の他、1日2回少なくとも30分、育児の為の時間を請求することができる。

※    4時間以内のパートタイマーの女性には、1日1回30分の育児時間を与えればよいとされている。

生理日の就業が著しく困難な女性に対する措置(労基法第68条)

生理日の就業が著しく困難な女性が休暇を請求した時は、生理日に就業させてはならない

 

 

年少者の保護

年少者の雇用

使用者は、満15歳に達した日以降の最初の3月31日までの児童を、労働者として使用できない。
満18歳未満の年少者を雇用する場合、その年齢証明書を事業所に備え付けなければならない。

未成年者との労働契約

未成年者(満20歳未満の者)を雇用する場合、法定代理人(親権者及び後見人)の同意が必要とされる。(民法5条)

法定代理人が未成年者に代わって、労働契約を締結してはならない。但し、労働契約が未成年にとって不利なものである場合は、将来に向かって解除することはできる。
法定代理人は未成年者に代わって、賃金を受け取ってはならない。

◆ 年少者保護について

満18歳未満の年少者について、変形労働時間制や時間外労働、休日労働、深夜労働は原則適用されない。但し、例外規定もある。
又、修学中の者については、修学時間も労働時間として組み入れてカウントする。
危険有害業務、坑内業務で労働させてはならない。

 

 

育児・介護休業法

育児休業制度

満1歳未満の子を養育する男女労働者に適用され、申し出(1ヶ月前)をすれば、原則として子が生まれてから1歳の誕生日の前日までの間で希望する期間を休業することができる制度。(一定条件で1歳6ヶ月まで可能となる)

※ 日々雇い入れる者は対象外。
※ 同一事業主に、引き続き雇用された期間が1年以上であること、子が1歳に達する日を超えて引き続き雇用される見込みがある場合。

介護休業制度

要介護状態にある対象家族を介護する男女労働者に適用され、申し出(2週間前)をすれば、対象家族1名につき、常時介護を必要とする状態ごとに1回、通算してのべ93日間の介護休業することができる制度。

「要介護状態」・・・負傷、疾病又は身体上若しくは精神上の障害により、2週間以上の期間にわたり常時介護を必要とする状態をいう。
「対象家族」・・・・・配偶者、父母、子、配偶者の父母、並びに労働者が同居しかつ扶養している祖父母、兄弟姉妹及び孫をいう。

※ 日々雇い入れる者は対象外。
※ 同一事業主に、引き続き雇用された期間が1年以上であること、介護休業開始日から起算して93日を経過する日を超えて引き続き雇用される見込みがある場合。

子の看護休暇

小学校就学前の子を養育する労働者が申し出ることにより、疾病・怪我をした子の看護の為に、1年に5回まで休暇を取得することができる。

※    勤続6ヶ月未満の労働者、週2日以内の所定労働者は、労使協定により対象外とすることができる。

労働時間制限制度

◆ 小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者がその子を養育するために請求した場合、又は要介護状態にある対象家族を介護する労働者がその対象家族を介護するために請求した場合において、

(1) 時間外労働の制限時間(1ヶ月24時間、1年150時間)を超えて労働時間を延長してはならない。

(2) 深夜労働をさせてはならない。

労働時間短縮等の措置

◆      使用者は、1歳(又は1歳6ヶ月)未満の子を養育する労働者で育児休業をしない者に関しては次の措置のいずれかを、1歳(又は1歳6ヶ月)以上3歳未満の子を養育する労働者に関しては育児休業に準ずる措置又は次の措置のいずれかを講ずる義務を負う。

(a) 短時間勤務の制度化
(b) フレックスタイム制
(c) 始業・終業時間の繰上げ・繰下げ
(d) 所定外労働をさせない制度
(e) 託児施設の設置運営その他これに準ずる便宜の供与

◆ 使用者は、常時介護を要する対象家族を介護する労働者(日々雇用を除く)に関して、対象家族1人につき1要介護状態ごとに連続する93日(介護休業した期間及び別の要介護状態で介護休業等をした期間があれば、それとあわせて93日)以上の期間における次の措置のいずれかを講ずる義務を負う。

(a) 短時間勤務の制度化
(b) フレックスタイム制
(c) 始業・終業時間の繰上げ・繰下げ
(d) 労働者が利用する介護サービスの費用の助成その他これに準ずる制度

 

 

安全と衛生に関する事項

労働安全衛生法

労働基準法(第42条)の姉妹法として、使用者が遵守すべき安全衛生の最低基準を定めるとともに、労働災害防止の為に総合的な法規制を行い、職場における労働者の安全と健康を確保して快適な職場環境の形成を促進する法律。

◆ 安全衛生教育

事業者は、労働者を雇い入れた時は、労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、その従事する業務に関する安全又は衛生の為の教育を行なわなければならない。

◆ 作業の管理

事業者は、労働者の健康に配慮して、労働者の従事する作業を適切に管理するよう努めなければならない。

◆ 健康診断

[一般健康診断]・・・事業者は労働者に対し、医師による雇入れ時と年1回の定期健康診断を行なわなければならず、その結果を労働者に通知しなければならない。
[特殊健康診断]・・・特殊な有害業務に常時使用する労働者に必要。

※ 事業主は、健康診断の結果の守秘義務があり、違反者は6ヶ月以下の懲役、50万円以下の罰金刑。

休業補償

(a) 使用者は、労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかった場合に、その費用で必要な療養を行い、又は必要な療養の費用を負担しなければならない。
(b) 使用者は、労働者が前条の規定による療養のため、労働することができないために賃金を受けない場合は、労働者の療養中平均賃金の60%の休業補償を行わなければならない。
(c) 業務上死亡した場合は、遺族に対して平均賃金の1,000日分の遺族補償をしなければならない。同意があれば6年の分割補償とすることもできる。

労働者災害補償保険法(労災保険法)

業務上の災害や通勤災害に対して、政府が運営する保険から補償をする制度であり、事業主が、取扱い業種に適当な保険料を毎年支払うことによって加入となる。

◆ 「業務上」の行政解釈

(a) 災害が使用者の支配・管理下で発生したこと(業務遂行上)
(b) その業務に内在する危険が現実化したと評価できること(業務起因性)

◆ 「通勤災害」の解釈

(a) 就業に関して
(b) 住居と就業場所との間で
(c) 合理的な経路及び方法によって往復する

時に、災害にあった場合をいう。

 

 

社内書類整備

就業規則

常時10名以上の労働者を使用している事業場では、過半数組合又は労働者代表の意見書を添えて、所轄の労働基準監督署長に届け出なければならない。

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労働者名簿

事業場ごとに、各労働者についての労働者名簿を調製しなくてはならない。

賃金台帳

事業場ごとに、労基法108条に記述されている事項を記入した賃金台帳を調製しなくてはならない。

 

 

 

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