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5歳までの教育が、人の一生を左右すると指摘するジェームズ・ヘックマン教授。

James_Heckmanジェームズ・ヘックマン

ジェームズ・ヘックマン.1944.4.19生James Joseph Heckman(米/経済学者)
1983年 ジョン・ベイツ・クラーク賞
2005年 労働経済学会から「生涯業績に対するジェイコブ・ミンサー賞」
2007年 アメリカ農業経済学会財団から「セオドア・W・シュルツ賞」
2007年 Sun Yefang Economic Science Arard
2000年 ノーベル経済学賞受賞者

(画像出典:practice.ieより)

 

「就学後の教育の効率性を決めるのは、就学前の教育にある」

ヘックマン教授による調査は、1970年代にアフリカ系アメリカ人の低所得層の幼児123名(当初IQが75から85)に対して数十年の追跡調査。1グループは就学前に教育、1グループは就学前の教育なし。

その結果、「IQスコアの向上」に長期的な向上をもたらしたわけではなく、それ以外の非認知能力(自制心や粘り強さ、気概などの特性)を伸ばすことに効果があったとしている。

潜在能力は、IQ(知能指数)で測れるわけではありません。潜在能力は、(経済力など)資源の制約、情報量と社会的な期待、両親の情報と期待、そして本人の選好、という4つの要因から影響を受ける「非認知スキル」です。

(出所:日経ビジネス

 

「非認知能力(Non cognitive skills)」があれば、当然「認知能力(Cognitive skills)」がある。認知能力は一般的知能つまりIQ(庶民的に言えば”頭がいい” ”勉強ができる”)である。「非認知能力」は潜在能力であるため、一般的知能(IQ)とは比較にならない。

IQが示すようなテストを解く能力は、人生の諸問題を解決する能力と同じではありません。現実に直面する試練は、多くの異なる特徴を合わせ持っているからです。だからこそそこで、IQでは測れない忍耐強さや自己抑制力、良心が重要な役割を果たすのです。高いIQが必ずしも高次元の人生をもたらすわけではなく、一番重要なのは「良心」だと私は思います。

(出所:日経ビジネス

 

心理学者アンジェラ・リー・ダックワース准教授は、非認知能力としてGRIT(グリット)=「やり抜く力」を強調している。目的・目標に向かって、諦めず継続的に努力する力である。(TED動画参照
(ただ「我慢しなさい」「諦めるな」ではない、ということを親は知る必要がある)

 

さらに、ヘックマン教授らの実験結果の中で、就学前教育を受けたグループは、犯罪歴が低い、離婚率が低い、生活保護に頼る率も低い、としている。

若ければ若いほど、様々な「潜在能力」を創ることが容易です。潜在能力は互いに少しずつ積みあがっていくものだからです。いったん基礎的なスキルを身に付ければ、次のスキル、またその次のスキル、とスキル向上のために「投資」していくことが容易になります。

(出所:日経ビジネス

 

ヘックマン教授らによると、早期教育に1ドルかけることで、社会に8~9ドルの「益」をもたらす、としており、リスクの高い幼児教育への投資の重要性を説いている。

幼児期の保育を担う保育所の質を高めることが今後の社会のためにも大変重要ですね。

(出所:日経ビジネス

 

共働きの多い日本の家庭に対して、「助っ人」による教育によって刺激を与えることはプラスであるとしている。子どもに向き合わず孤立させる育て方で育児失敗している家庭は多いとして、お金の問題ではないと語っている。(つまり、子どもの将来のためには、親はお金や時間がないことを理由にしてはいけない、ということが言える)

幅広い潜在能力を創るのは、様々な要素の「組み合わせ」なのです。

(出所:日経ビジネス

 

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幼児教育の祖「フリードリッヒ・フレーベル」が、
19世紀には幼児期の大切さを語っている。フレーベルは、1837年に世界初の幼稚園(ドイツ)を開設し、教員養成も行なっている人物。

子どもは5歳までにその一生涯に学ぶすべてを学び終えるものである。

Frederick-Froebelフリードリッヒ・フレーベル名言 
(画像出典:Wikipediaより)

 

 

別の教授、Evans氏とSchamberg氏の研究によると、

『収入と学力に格差を引き起こす原因として考えられるのは、低所得層の成人におけるワーキングメモリ障害だ。これは、幼少時のストレスで脳に受けた損傷によって引き起こされたものだ。』

(出所:WIRED

 

 

子どもに対し、ためになる教育や体験を充てるか、ストレスを充てるかは、親の育児姿勢によるものと感じる。ただ、所得の格差による育児環境も鑑みると、親だけの課題のみならず、行政・社会の協力(サポート)は必須である。

日本では現在、6人に1人の子どもが貧困であるとされている中で、どのような育児教育を行なうのか、早急に対策を講ずる必要があるはずである。しかし、実際にその政策・施策は、成果に繋がっていないと言えるのだろう。

 

非認知能力の概念は?

ヘックマン教授のいうところの潜在能力(非認知能力)とは、その概念で変わってくるものであるが、日本の有権者の中では、性格5因子(ビッグ5)を主として考えられている。

それに関する論文で、明治学院大学専任講師・李嬋娟の「非認知能力が労働市場の成果に与える影響について」が分かりやすいかもしれないので、参考に。

http://www.jil.go.jp/institute/zassi/backnumber/2014/09/pdf/030-043.pdf

性格5因子(ビッグ5)とは・・・

  1. 情緒不安定性(Neuroticism)
  2. 外向性(Extraversion)
  3. 知性・経験の開放性(Openess to experience)
  4. 同調性・協調性(Ageeableness)
  5. 誠実性・良心的特性(Conscientiousness)

ただ、ビッグ5はゴードン・オールポート氏が多数の性格を5つのカテゴリーに分類したのもので、学者の中には別の定義を主張している人もいる。

 

その他、ケイス・ビーズリー氏やダニエル・ゴールマン氏によるEQ(心の知能指数)・SQ(社会性知能・精神的知能)が思い浮かぶ。

 

当方では、各能力のバランスが重要であると考えています。(下図参照)

intelligence能力才能指数,PQ,IQ,EQ,SQ,AQ,CQ

 

SQ(Social Quotient)=社会的知能、精神的知能」、

PQ(Physical Quotient)=身体的能力」、

EQ(Emotional Quotient)=心の知能指数」は近年、重要性が主張されています。

それ以外のAQ(Adversity Quotient=逆境指数)、MQ(Moral Quotient=道徳性知能)、

CQ(Creative Quotient=創造性知能)なども不可欠です。

 

 

親や大人の課題

近年、過保護な親による子どもの玩具化(つまり親の思い通りにしたいという意)、

あるいは、依存化(子どもに嫌われたくない態度、他人への責任帰属という意)は、

子どもの可能性を遮り、子どもの成長を停滞させている可能性があります。

 

痛みを知らないから、他人の痛みも分からない。

ダダをこねればかまってくれるから、辛抱さがない。

友達までも親が決めるから、人間関係が希薄になる。

「言われた通りにしなさい!」と言うから、言われたことなら出来る。

 

色々な状態を想定しても、そこには子どもの責任ではなく、親の責任がある。

 

子どもから、

「うざい(うぜぇ〜)」「だるい(だりぃ〜)」などの発言が出るのは要注意。

思考停止(問題解決力なし)状態だという。つまり、

その言葉だけで行動しないのは、「何も生み出さない」ということ。

 

これは、親や先生等から「お前にはムリだよ」「あなたはバカだから」などを

幼少時から言い聞かせているから……(私に存在の意義がない)と思い込む。

 

親や周辺の大人は、子どもにかける言葉に気を遣うべきである。

子どもが「うざい(うぜぇ〜)」「だるい(だりぃ〜)」と連呼するようなら、

親の責任である。

 

まずは、大人から「SQ」「EQ」などを磨く必要があるのかもしれない。

 

 

   

 

 

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