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「利益」というものは、「営業利益」「経常利益」「純利益」などいくつかに分類できます。今回は、ビジネス展開する以前にある程度予測ができる「利益」があります。それが「限界利益」というものです。会計上出現する科目ではありませんが、会計士の間で重要視している一つとして「限界利益」があるのです。それについて触れたいと思います。

 

限界利益とは

 

限界利益」とは、売上額から変動費を引いたものです。(下図参照)

※(「限界利益」は貢献利益とも言われていますが、解釈相違があります。)

限界利益,変動費,貢献利益

簡単な例えで言いますと、

50円のモノを仕入れて、100円で売ったとするなら、

100円 — 50円 = 50・・・これが限界利益です。

ですから、この場合は仕入額50円が変動費になります。

(本来は、変動費率50%、限界利益率50%と考えます。)

 

変動費は、売上の増減に応じて変動する費用と考えていいものです。変動費の概要は業態によって多少違うようですが、仕入れ額、材料費、消耗品などが該当します。従業員を雇用されている場合は、多忙時の残業代などが含まれる場合もあります。
本来、人件費は固定費になります。売上の増減に関係なく支出されるものだからです。家賃や通信光熱費、レンタルサーバー代、保険料なども固定費ですね。ですから、「限界利益」から固定費を支出した残金が、いわゆる「利益(営業利益)」になります。
※勿論、さらに税金などもありますが、ここでは単純な営業上の利益と考えてください。

 

さて、

固定費などの支払いは売上の増減関係なく支出されてしまうものですから、

この「限界利益」は、「利益」を左右する重要なものとして考え、

いかに「限界利益」をアップさせるかというのが今回のテーマです。

 

(参考)
前記した「限界利益」と「貢献利益」について同類という考えが一般的ですが、会計士や経営コンサルタントによっては、別扱いにしていますので、簡単に解説します。
「限界利益」は、売上 - 変動費です。
「貢献利益」は、売上 - 変動費 - 直接固定費(管理可能費)です。

貢献利益

「直接固定費」は、活動する上で直接関わる固定費です。(会計科目として表現されません。)
例えば、営業活動での交通費(旅費交通費)やお客さんへの手土産(接待交際費)、販促物の購入や宣伝広告費なども直接固定費になります。
営業マンであれば、自分の給与分も直接固定費と考えて、会社の売上・利益に貢献しているのか・・・という評価対象になります。

 

 

「限界利益」をアップさせるために

 

限界利益アップの方法

 

(1)売上額をアップさせる

 

普通に考えると、売上額がアップするということは、それに応じて変動費もアップします。

ここでは、変動費を出来るだけ上げずに売上額をアップすることを考えます。

 

単純な考え方は、例えば、

50円で仕入れて100円で売っていたモノを、120円で売ることです。

ただし、売価を値上げすることで顧客が減っては意味がありません。

この値上げする20円の価値を顧客に納得してもらう必要があります。

 

他には、回転率・生産率を上げることも売上アップにつながります。

例えば、

1時間で1,000円売上げていたものを1,200円売上げるようにします。

※固定費かもしれませんが柔軟に考えてください。日々残業2時間で10万円売上げていたものを、残業なしで10万円売上げる方法でもあります。

 

そのためには、どうすれば良いのかを考える必要があります。

 

※スーパーなどで目玉商品安売り、例えば玉子1パック10円を100パック限定販売、で集客すると、それ以外の商品を購入してもらえる機会ができますので、トータルで売上額がアップすることになります。

 

(2)薄利なこと・ものをやめる又は改善する

 

すでにビジネスをしている場合、薄利の取引や薄利の商品などがあると思います。

その取引をやめるということも方法の一つです。

そこに費やす変動費、さらに時間や労力などを他にかけることが必要です。

※時間を資源(リソース)と捉えます

 

もし、その取引がやめられない事情があるのなら、

売価(取引額)を上げるなどの改善・提案を行う必要があります。

そのために何をすべきなのか、を考えます。

 

パレートの法則(80対20)を考えれば、薄利の取引などもあってよいのですが、

そこをシッカリと見極める必要があります。

 

※薄利商品、薄利部門の撤退・縮小の決断は大事です。

 

(3)変動費(率)を下げる

 

ある程度、売上が安定していること・ものがあるのでしたら、

それに対する変動費(率)を下げることを考えます。

単純な例えとしては、

仕入れ値、材料費などのコストを下げることが思いつくでしょう。

ただ、仕入れ先との兼ね合いもありますから、その辺りは交渉次第です。

 

どちらかというと、その他の変動費を下げることが重要かもしれませんので、

そのためにはどうすれば良いのかを考える必要があります。

 

※バックエンド商材、コンテンツビジネス、課金制・会員制などの導入もアリです。

 

この(1)~(3)を全て考え、全て実行することによって限界利益はアップされます。

 

「限界利益」をアップさせるためには、この(1)~(3)がポイントですが、

その基本となる売上額のアップについてフォーカスしていきましょう。

 

 

売上額のアップ

 

「売上」を作るには、単純に考えて下図のような要素が浮かび上がります。

売上のルール,売上アップ,客数,購入頻度リピート,客単価

 

客数 × 購入頻度 × 客単価

というのがベースにあります。

※人によっては、購入頻度を客数に含めたり(延べ人数にする)、

客単価に含めたりしていますが、どちらでも構いません。

 

客数とは、

既存客数新規客数流出客数の計です。

※流出客とは、取引がなくなったお客さん。

 

開業・創業当時は、殆どが新規客数になるということになります。

一度だけのお客さんは「一見客」「一見さん」とも言われていて、

結果的には流出客になってしまいます。

 

何度でも取引(購入)をしてもらえるお客さんを「リピーター客」

あるいは「固定客」と位置付けていきます。

このようなお客さんの購入頻度はとても重要です。

 

客単価とは、

購入点数 × 一点あたりの単価(平均)の計です。

 

これらを踏まえ、売上をアップさせるための方法とは、

次の5つになります。

 

売上アップの方法

 

客数を増やすために、

新規客数を増やし流出客数を減らすことを考えます。

さらに、お客さんの購入頻度(リピーター率)をアップさせることを考えます。

 

そして、客単価を上げるために、

購入点数を増やしたり、一点あたりの単価を上げていったりすることを考えます。

これらを全て漏れなく考える必要があります。

 

この考えるという意味でも、マーケティングは必要で、特に

プランニングやプロモーションのプロセスは重要になってくるわけです。

以前、ブランド力とファネルの関係について説明しましたが、

そのファネルを意識し商売することが、この売上アップの要件につながってきます。

 

 

売上額アップと限界利益アップは比例しない

 

前記したことは、一般的に売上をアップさせる方法として言われていることですが、

今回のテーマ「限界利益」を考えると、売上額がアップしても、

「限界利益」はアップするかもしれませんが、

「限界利益」がアップすることにはなりません。

「限界利益」率をアップさせるためには、

戦略的プロセス構築の重要性を認識することになります。

 

業界・業種・業態にもよるでしょうが、

例えば、

客数を減らし、客単価を上げるという考えもあるでしょう。

(例)会員制にすることやVIPのみをターゲットにすることなど

一点あたりの単価を上げ、点数を減らすという方法もあります。

(例)特化したモノ(コア商品)に絞りビジネスを行なうことなど

変動費(ついでに固定費も)を出来る限り増やさず、

売上アップさせる方法も考えられます。

(例)コンテンツダウンロード式、課金制、コンサルタント系、リース業など

 

この”変動費を増やさない”ことについては、

※従業員を雇用している場合、時間外手当などが変動費になると考えると、

時間外手当を払わないでいいようにキャリア育成の環境整備も必要です。

能率を向上させるということが、変動費を下げることにつながります。

 

前記した「売上アップの5つの要素」のうち、

「限界利益」をアップさせるために有利な要素は、

・購入頻度をアップさせる

・一点あたりの単価を上げる

この2つが重要であると考えることができます。

 

ということは、

お客さんとの関係構築、および価値提供というものを意識する必要があり、

ブランディングやプロダクト制作、価値訴求などのプロセス、さらに

付加価値、差異化などにも注力することになります。

 

勘案する際、シンプルに考えます。

正確には、シンプルになるように考えるということです。

 

「限界利益」をアップさせるためのコツとして、

事業(業務)プロセスを簡単にし、明瞭にしていくことです。

それを「仕組み化(システム化)」していくことで、それが上手くいけば

そのシステムを応用、繰り返ししていくことになります。

簡単なシステムを多様に繰り返すことで、「限界利益」はアップしていくのです。

 

個人経営者・事業主は、常にこの辺りを勘案していかなければなりません。

 

これから開業・創業する方は、当初から高利益を獲得するということではなく、

中長期的なプランを考え、展開していくということになります。

 

「限界利益」をアップするためのプランニングを具体的に進めてみては如何でしょうか。

 

 

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